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「社会保障制度」は各国様々であるが、いずれもその国民性や価値観に基づいており、またそれぞれの社会システムや経済・政治情勢を反映している。したがって、その仕組みや提供されるサービス・手当ても国により大きく異なる。例えば、公の年金制度は、その財原や保険料のレベル、手当て支給の開始年齢、手当てのレベル、受給要件において異なっている。社会保障制度の国際比較は、それが各国で様々に異なるとの認識に基づいて行わなければならない。そうした認識を欠いて比較を行うと、誤解につながりかねない。
そもそも、社会保障の定義は国によって異なる。
例えば英国では、社会保障は年金や児童手当などの所得保障を意味する一方、日本の社会保障制度の定義は、英国で「社会政策」や「社会事業」と呼ぶものも含む。
「社会政策」および「社会事業」の意味するところは、所得保障、医療保障(英国では「国民医療サービス」と呼ぶ)、対人社会サービス、住宅政策、教育、雇用など、範囲が広い。
また米国においては、「社会保障」は年金等の所得保障として定義されることが多い。日本で言うところの福祉事業は、「ヒューマン・サービス」と呼ばれている。米国では「福祉」とは通常、税収を財源に資産調査を経て給付が行われるもの、特に貧困家庭一時扶助( TANF: Temporary Assistance to Needy Families)を指す。しかし、社会保障法は包括的な法律で、所得確保のための年金保険に加え、失業保険、母子家庭への医療サービス、障害者へのヒューマン・サービス、高齢者への医療サービス、医療扶助等について規定している。
フランスでは、社会保障(フランス語で「Securite Sociale」)は疾病保険や高齢者保険などの社会保険を意味する。社会保険の他に、社会扶助(病人・障害者・高齢者で所得上限の要件を満たした者への現金・サービスの提供)、社会サービス(その他の社会福祉サービスで所得上限がないもの)、そして独立のための最低所得水準保障制度が、集合的に「 Protection Social 」と呼ばれている。
ドイツでは、社会保障(ドイツ語で「Soziale Sicherheit」)には社会保険、社会的補償(戦争犠牲者を対象)、社会的支援(学生のための社会扶助又は支援)が含まれる。しかし、ドイツ人は「Soziale Wohlfahrt」(社会福祉)という表現をあまり用いない。 |