2010年6月17日 |
「AARPマガジン」2010年3・4月号には、「脳の健康を高める」として、脳と体を使うことの大切さと、脳によい10の生活習慣が書かれています。
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| 脳の健康 |
UCLAのスモール博士は、ある男性患者のことをよく覚えている。その男性は、70代前半の数学者で、記憶力テストやIQテストを受けると、成績は抜群。しかし、脳を検査してみると、進行したアルツハイマー病だったのだ。
「普通、この程度のアルツハイマー病の患者は、会話もうまくできません。しかし、この男性は未だに難しい数学の問題を解くことができます。でも、この男性だけが特例なのではありません。実は、記憶力に大きな問題のない人の最大20%にアルツハイマー病が認められます」というのは、コロンビア大学のスターン博士(神経心理学)だ。
では、なぜ脳に重大な変化が起こりつつも、脳は機能し続けることができるのか?多くの科学者がその理由としてあげるのは、「認知的予備力=コグニティブ・リザーブ」である。これは、生まれながらの能力と、問題にたちむかうことで培った後天的な知力の蓄積である。さまざまな経験をより多く積むことは、より多くの脳の神経細胞をより強固に結びつけ、病気や加齢により問題がある脳の部分をうまく避けることができるようになる。つまり、脳は使えば使うほど、認知的予備力が大きくなり、さらに、加齢による能力の衰えに立ち向かう力が大きくなるのだ。
50歳を過ぎると脳の力が衰えるというのは、既定の事実ではない。年齢とともに脳の健康が増すこともある。蓄積された智恵、専門的な技術、嫌なことはすぐ忘れるような気持ちの切り替え方などは、年齢を重ねることで優れることがわかっている。例えば投資のような高度の意思決定も、年齢には関係ない。
もちろん衰える機能もある。そのひとつがスピードである。神経連絡がうまくいかなくなったり、血液の流れが悪くなったり、神経信号を伝える化学部質が減少することが原因として考えられる。記憶力も衰えるが、自動車の運転のように身に付いた技術は忘れにくい。過去の出来事の記憶は顕在記憶と呼ばれるが、よほど印象的な出来事を除き、少し忘れやすくなる。もっとも忘れやすいのは短期記憶で、短期記憶力のピークは30代前半である。歳を取ると、例えば、外国語を習得するといった複雑な新しい情報を記憶するのが難しくなるのは、このためである。
では、どうすれば脳をベストな状態に保つことができるのか?まず、新しい脳細胞を育てることだ。これは、長い間不可能と考えられていたが、生活習慣によっては可能であることがわかってきた。心と体のエクササイズをすれば、脳細胞が生まれ、長生きし、さらによく結びつくという。週数回、40分間の速歩きをすると、血流が増し、新しい脳細胞が生まれることがわかった。このような運動は、心臓、免疫システム、体の他の部分にもよい影響を与える。
脳の健康に役立つ生活習慣をまとめると、次のようになる。
- 歩く、話す。
ウォーキング仲間を作って、歩きながら語り合う。
- 新しいことを試してみる。
新しい食材を試したり、新しいクラブに入ったりすると、神経連絡が刺激される。
- 学ぶ。
勉強するなら徹底的に。外国語を習うなら、出来るだけ多くのクラスに参加する。
- 遊ぶ。
いろいろなパズルやゲームを選ぶ。ときには、時間を決めて挑戦する。
- リラックスする。
瞑想、ヨガ、森林浴など。心がすっきりすると、記憶もすっきりする。
- 寝る。
眠いときは、脳が一日の記憶の整理をしているとき。夜更かしはやめる。
- 創造する。
絵を描いたり、日記や小説を書く。自分のホームページを作るのもよい。

- 人と付き合う。
社会に出て、新しい友達を作る。
- 正しく食べる。
果物、野菜、全粒粉、魚は脳への酸素の流れを良くする。
- 数字を見る。
血圧、体重、血糖値、コレステロールなどをチェックする。
脳の健康を保つ近道はない。少しでも新習慣を取り入れて、いつまでも若々しい脳でいたいものだ。 |
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