2006年7月3日

アメリカのブーマー・ビジネスを追う

 日本の成田空港から、飛行機で約10時間。アメリカの西海岸、ゴールデンゲート橋を見下ろし、サンフランシスコ国際空港に着く。空港から、南へ向かう高速道路沿いの町々には、成功して大きくなった半導体、コンピュータ、ソフトウェアそしてインターネットなどのIT産業、バイオ企業や、これから台頭するであろう新しい技術や製品に挑戦している数多くのベンチャー企業が点在している。ここは、あたらしいことを生み出すメッカのシリコンバレー。


観光客を乗せたケーブルカーが走るサンフランシスコの街中。


 アメリカでは、1946年から1964年生まれの45歳以上の世代をベビー・ブーマーあるいは単にブーマーと呼び、日本の団塊の世代と同じような世代を表現している。その人口7千7百万人、米国人口の28%を占め、約4千6百万世帯、その推定購買力は約250兆円と言う。



60歳以上が占める割合(%)の2000年と2005年の比較。



 2004年から始まったシリコンバレー・ブーマー・ベンチャー・サミットは、この45歳以上のブーマー市場“45プラスマーケット”へのイノベーション(革新)、投資、起業家精神、そして事業機会を捉えていこうと言う企画。

 2006年6月、シリコンバレーのサンタクララ大学で開催されたサミットでは、“シルバー世代がゴールドになるには”とのオープニングメッセージで始まった。アメリカのベビー・ブーマーの関心事は、「①健康な生き方、②ヘルスケア、③家族と介護、④金融サービス、⑤住宅環境、⑥精神的なこと」の6つのトレンドで表されるという。
 アメリカでも60歳代が80歳代90歳代の親を介護する課題、年間平均1,200万円に及ぶ老人ホームの費用の問題があり、そして55%の祖父母が孫の教育の支援をしていると言う。


パソコン用コンピュータの最大手インテル社もスポンサー。
ヘルスケアの部門を設立し、ヘルスケアでの新しいパソコンや
インターネットの利用技術や応用などを提言している。



退職は、料理はじめるのによいタイミング。
“健康でハッピーな食品”を食べようと提唱する
ヘルシー・イーティング社が料理をしたランチが提供され、
人脈作りの場のランチ会場。


 そのサミットの企画の一つ、優れた事業計画には1万ドル(約120万円)の賞金をだす$10,000事業計画競争(ビジネスプランコンペ)も開催されている。2006年のこのコンテストで、書類インタビューを経て残った75の計画の半分は、ビジネス経験を持つ中堅の起業家から、そして残りの半分はトップクラスの大学、ビジネススクールそして医科系大学の学生からであるという。

 シリコンバレーの地元の著名なベンチャーキャピタリスト5人による最終選考は、アメリカには1200近いベンチャービジネスのコンペ(競争会)があるという説明で始まった。決勝に残った5社の事業計画のプレゼンテーションは、①事業機会があるか、②市場への展開戦略、③説明の明快さ・訴える力、④マネージメントの質、の観点から評価された。




 おなじ西海岸、サンフランシスコに本拠を置くASA(米国加齢協会)は、1997年から、“ビジネスと加齢“に関する模範的なプログラムやサービスを表彰する活動を続けている。この賞は、大企業(ラージカンパニー)と小企業(スモールカンパニー)に分かれ、新興のベンチャー企業のみならず、新たな市場機会を求めてブーマー市場に進出する伝統ある企業も参加できる。


2005年度の表彰を受けた会社。


 「次のブーマービジネスサミット2007」What's Next Boomer Business Summit 2007とASAの年次総会は、3月初旬に米国シカゴで開催される。




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